消費税の免税事業者から課税事業者になった場合の留意点に、期首棚卸資産の調整があります。
免税事業者のときは消費税はまったく関係ないので、棚卸資産を仕入れても税額控除はされず、期末棚卸資産の残高も(税込の)仕入金額をもとに算定されます。この期末棚卸資産が翌期の期首棚卸資産になり、売上原価を構成する訳ですが、売上原価は課税仕入とはならず、あくまでも当期仕入が課税仕入となることから、このままでは期首棚卸資産は販売されても税額控除されないこととなってしまいます。すなわち、期首棚卸資産については、売上に係る消費税をそのまま納付することとなり、課税事業者は不利になってしまうのです。
 そこで、このような事態を解消するために、免税事業者が課税事業者になった場合にだけ期首の棚卸資産について税額控除を認めることとしています。
 ただ、この調整も原則課税を適用する場合のことであり、課税売上高から納税額を算出する簡易課税では関係ありませんのでご注意ください。
 なお、税額控除の適用を受ける場合には、棚卸資産の明細を記録した書類を確定申告期限から7年間保存することが義務付けられています。